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LECTURE189  2018 May

【第95回レギュラーセミナー】
「小顔をつくるビューティーメソッド~自分のキレイを見直そう~」

出勤前の「時短ケア」で 「印象美人」の私になる

セミナー写真

忙しくても美しくありたい――。今回の丸の内キャリア塾は「小顔をつくるビューティーメソッド」がテーマ。ヘア・メイクアップアーティストの小田切ヒロさんと美容ライターの橋本日登美さんが、スキンケアとマッサージの実演を交えて、朝5分のお手入れで「印象美人の小顔をつくる」テクニックを紹介した。

オフィスでも映える小顔 自分らしい「キレイ」目指す


橋本 今日は働く女性に向けた朝5分の「時短ケアで小顔をつくる」テクニックを教えていただきます。小田切さんが考える小顔の極意は何でしょうか。

小田切 小顔になることで様々な良いことにつながると考えています。具体的には全身のバランスがよくなり、洋服も似合うようになる。清潔感があり、上品な「印象美人」になる。見た目の印象が良くなることで仕事にも自信がつきます。

橋本 小顔をつくるといっても限界はありませんか。

小田切 骨格や肉付きは生まれ持ったものなので、もちろん限界はあります。だからといって、諦めたり人と比べたりせず、自分の中での「キレイ」の最大限を目指すことが大切だと思います。

水分の摂取からスタート リラックスと集中が大切


橋本 早速教えてください。

小田切 必ずコップ1杯の水を飲むことから始めます。体の中の老廃物を流すためです。
 顔のスキンケアはローションを2種類使います。まず角質ケアローションをコットンに浸し顔全体に滑らせます。首も忘れずに。古い角質を取った後に、高保湿ローションをコットンに浸し、目の下の三角ゾーン2カ所とおでこのTゾーンをパックします。この3カ所がしっかりと潤えば肌がキレイに見えます。

橋本 忙しい朝、ケアをする際に心がけることはありますか。

小田切 ケアはリラックス、そして集中して行うことが効果を上げるので、好きな音楽、香り、照明など環境を整えてください。出勤前の5分間、忙しいからこそ心を落ち着かせ、仕事も家事も一瞬忘れるぐらい集中することを心がけましょう。

橋本 リラックスと集中が大切なのですね。では、顔をパックした状態でマッサージに入ります。

小田切 小顔メソッドで一番初めに行うのが脇の下のほぐしです。老廃物を流す「道すじ」をつくるためです。脇には上半身の老廃物を流すためのリンパ節があり、ここが最終的な「出口」になります。手をクロスさせ、右脇には左手、左脇には右手の4本の指を脇の下に入れ、少し痛いぐらいの強さで5回もみほぐします(図1①)。

橋本 次は鎖骨の下、デコルテをしっかりほぐしていきます。

小田切 重要なポイントである鎖骨を薬指と中指でひっかけるように押します(図1②)。痛いくらい強くでかまいません。鎖骨のくぼみが老廃物を流す「関門」(図1③)。そして耳の前後をピースサインの2本指で挟み、上からスピーディーなのです。

 それから首筋。人さし指と親指の腹で、首の後ろ側の太い筋をもみほぐしますに押します。右耳は右手で(図1④)。 

図1



頭皮マッサージも大切 美容オイルで摩擦予防


橋本 お顔が少しシュッとしてきましたね。頭のマッサージに進みましょう。

小田切 頭の皮膚と顔はつながっているので、頭皮が硬くなっていると、顔にも影響が出ます。頭を3つのパーツに分けてマッサージをします。まず、おでこから頭頂部に向かい、指の腹でほぐします。次は側頭部。親指以外の4本の指で、耳を中心にして、前から後ろまでを小刻みに指を動かしてほぐします。最後に後頭部。耳の後ろにあるくぼみに人さし指を、親指はエラのあたりに自然に置きます。そのまま4本の指を後頭部の中央へと、小刻みに指を動かしてほぐしましょう。

橋本 顔のパックはいつ外しますか。

小田切 パック開始約1分たったら取ってください。頭のマッサージが終わったころがちょうど1分くらいです。コットンがまだぬれている状態がベストです。コットンが完全に乾くまでパックをしていると、肌の水分を吸ってしまうので注意してください。1分のパックでも手でローションをつけただけと比べると、化粧のもちが断然よくなります。

 顔全体に美容オイルをぬり、肌の摩擦を防ぎます。おでこから順に(図2⑤)、眉の上下(図2⑥)、目の下、ほうれい線の根元、頬骨の下、口角から下の「マリオネット・ライン」をマッサージします。さらに口内を舌で内側からマッサージしたあと、あご先からフェースラインに沿ってピースサインの2本指で耳下まで引き上げます。

 最後に手を「ヤッホー」の形で鼻のすぐ横に当て、一気に耳前まで滑らせ(図2⑦)、ほぐして集まった老廃物を1カ所にまとめます。最低3回してください。そこから首筋に沿って鎖骨まで下げ、流します(図2⑧)。ここまでがマッサージです。

橋本 お顔がひきしまってきたのがわかります。ここで顔全体をティッシュで覆い、まだ少し残っているオイルを押さえます。



図2

正しい肌ケアは一生の 「美の財産」となる土台 


小田切 メイクの前の下地は、まず日焼け止め乳液を顔全体に手で伸ばし、さらに大きめの厚みのあるスポンジでならします。そして手の熱で顔を温めることが大切です。化粧もちにつながります。

 マッサージ効果で肌がキレイになっているので、下地が1種類ですみます。ピンと張った肌は透明感もでるので、ファンデーションも少量でかまいません。化粧崩れが少なくなり、軽い印象の肌になります。

橋本 流れるような肌ケアでした。出勤前の忙しい朝でも無理なくできるので、働く女性にも習慣にしやすいですね。

小田切 このメソッドはどの年代の方にも有効です。年齢を重ねるほど違いが実感できると思います。慣れてしまえば手間ではありません。正しい肌ケアは、はやりものではなく、一生ものの美の財産となるベーシックな土台です。ご自分を大切に扱い、毎日続けてください。


 

講師: 小田切ヒロ(おだぎり・ひろ)さん
ヘア・メイクアップアーティスト

LA DONNA所属。藤原美智子氏等のアシスタントを経て独立。VOCE、SPUR等の雑誌、広告、数多くの女優・タレントのメイクのほか、イベント、トークショーに引っ張りだこのヘア・メイクアップアーティスト。著書「小田切流 小顔道」(講談社)が好評。

講師: 橋本日登美(はしもと・ひとみ)さん
美容ライター

メイクアップからボディー&スキンケア、美容医療まで幅広いジャンルの記事を担当。多くの女性誌で執筆活動をしているほか、美容書籍の編集業務や広告リーフレット・リリース製作なども手がけている。