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LECTURE202 2019 September

丸の内キャリア塾とは、キャリアデザインを考える女性のための実践的学習講座です。毎回、キャリアやライフプランに必要な考え方と行動について多面的に特集しています。

【インタビュー】

英語力生かしテナントで開講
生徒の可能性引き出す

「学びで大切なのは、本人が楽しいと思えること」。ECCジュニアのホームティーチャー(HT)として子どもたちに英語を教えるハウ文恵さんは語る。教室運営補助金推薦制度を利用したテナント教室が軌道に乗り、現在の生徒数は100人を超える。教えることが好きで、結婚後の生活拠点だったカナダで英語教員をしていたハウさんに、HTになったきっかけや仕事のやりがいなどを聞いた。

ハウさん

ECCジュニア・ホームティーチャー
ハウ 文恵さん(はう・ふみえ)さん(Emmy)

米国ニューヨークSVA大学卒、BFA取得。1996年カナダ・ブリティッシュコロンビア大学教育学部卒業。BC州教員免許取得。カナダ・BC州リッチモンド市キャンビー中高等学校教員を経て2014年にECCジュニア東大成町教室を立ち上げ経営、講師として活躍中。

――学生時代の英語習得で苦労したことは。

 ハウ 高校3年生のときに米国ペンシルベニア州の高校に留学しました。留学前は学校の授業以外に主にラジオで英語を勉強し、会話くらいはできると思っていました。ところが留学先では授業が全く分からず、自分の言いたいことも言えない、友人もできない……。言葉の壁は高く、最初の3カ月はつらくて、毎晩独り、部屋で泣いていました。
 それでもコツコツ勉強を続けるうちに少しずつ分かるようになってきます。そんなときに英文法の試験があり、なんと日本人の私が現地のネーティブを抑えてトップの成績に。それでとても自信がつきました。だんだん友人もできて学校生活が楽しくなると、勉強にも身が入るという好循環につながったのです。

クルーズ船で英会話講師
教える楽しさに目覚める

――大学はニューヨークでアートを専攻したそうですね。卒業後は。

 ハウ たまたまクルーズ船の通訳の仕事を得て日本人乗船客に英会話のレッスンをしました。そこで教えることの楽しさに目覚めたのです。学習するにつれて皆さん生き生きと自信がついてくる、その手伝いができることに幸せを感じました。その後日本に戻り、ECC外語学院の講師になりました。その頃、来日していたカナダ人男性と結婚し、カナダで暮らすことに。仕事は続けたかったので大学で教職免許を取り、地元の中学・高校で第2言語としての英語やアートなどを教えました。その後主人の仕事の都合で再び日本に戻り、間に子ども3人も授かって家族5人で暮らしていました。

――ECCジュニアのHTになったきっかけは。

 ハウ 5年前に夫が突然「カナダに帰る」といなくなったからです。子どもは高校1年、小学6年と3年でしたが、高1の長男は連れていかれ、私は当時の状況をどうすることもできませんでした。非常にショックでしたが、落ち込んでいても始まりません。これからは下の子2人を、私が養っていかなければならないのですから。
 様々な職を探していると、友人がECCジュニアで子ども向けの英語の先生を募集していると教えてくれました。
 早速大宮のECCジュニア埼玉センターに行ってみると、担当者がHTについて丁寧に説明してくれ、レッスンや運営の仕方など色々な選択肢を示してくれました。英語と教えることがどちらも好きな私にはぴったりの仕事ではないかと思いました。何よりも働く時間帯を自分で決められることがうれしかった。「あなたならできる」と背中を押してくれた担当者の言葉を信じ、HTになろうと決意しました。

「大きく展開をしたい」
テナントで実現、職住近接

――教室は、どのような形態の運営を選択したのですか。

 ハウ 自宅で教室を開く方法もありますが、私は教室を借りて運営することにしました。HTで生計を立てようと決めたときに、やるからには大規模に展開したいと思ったからです。当初の目標は生徒100人。自宅では手狭でしたので、最初からテナント教室しか考えられませんでした。

――テナント教室運営ではまず、よい物件の確保が重要だと思われます。

 ハウ 小さな子どもを抱える身には、職住近接が理想です。私の場合は、自宅に近い物件を担当者が3、4件見つけてくれたので、1日で全てを一緒に回り一番条件がよいと思った所をその日に決めました。

――ECCジュニアには教室運営補助金推薦制度があるそうですね。

 ハウ テナント教室の家賃18カ月間の補助や、生徒募集のチラシや費用のサポートなどがあり、大変ありがたかったです。この制度があったからこそ教室が開設できました。

ハウさん2

授業を楽しめているか
表情やハイタッチで確認

――HTとして心掛けていることややりがいを教えてください。

 ハウ 心掛けているのは、生徒たちが「レッスンを受けて楽しかった」と思える授業を提供することです。自身の経験から、学びの場で何よりも大切なことは本人が楽しいと思えること、そして達成感を得られることだと考えているからです。この2つがあれば必ず英語が好きになる。もっと勉強したいと思う好循環が生まれます。
 それぞれの表情を見て、レッスンを楽しめているのかを確認しながら授業を進めています。生徒たちが教室を出るとき、一人ひとりに“See you next week.”と声をかけながらハイタッチするのですが、皆がキラキラした顔で出ていくのが何よりうれしい。いつも生徒たちから元気とパワーをもらっています。
 子どもの個性や成長は様々で異なるポテンシャルを持っています。加えて、ECCジュニアでは長期にわたって通う生徒が多い。長い目で、それぞれの可能性を信じて教えていくことにやりがいを感じています。

――生徒が楽しいと思える授業にするのは難しそうです。

 ハウ ECCの教材は非常によくできているので、教材に基づいたレッスンをしていけば大丈夫です。教育のプロが長年の積み重ねで作成し、さらに改善を加え、学習に成果が出ているという裏付けもある。だから生徒たちも自然と楽しんでいるのだと思います。
 あとはちょっとした工夫ですね。HT自身がまずレッスンを楽しむことかなと思います。私が楽しそうにしていると生徒たちも楽しんでくれます。
 教えていくうちに、この生徒には何が「ウケる」のかが分かってきます。例えば小さな子には体やリズムを使って表現して教えたりします。年1回の発表会の劇では、生徒から「今年はこの教材を使おうよ」と提案してくるなど、皆非常に自発的に参加します。

――HTになって5年、教えることに何か変化はありますか。

 ハウ 生徒数30人からスタートした教室は今では100人を超え、当初の目標は達成できました。がむしゃらに働いてきましたが今は気持ちに少し余裕ができ、自分の趣味として英語のディベートに熱中しています。仲間と楽しく練習したり、大会に参加して賞をもらいました。
 即興型ディベートでは、飛躍的に語彙力、総合的英語力が上がります。また、クリティカルシンキング力がつく、論理性のある話ができるようになる、社会的問題に興味を持つようになる、プレゼンテーションスキルが上がる……。これからの時代の子どもたちに必要な総合的な力がぐんとつきます。ECCジュニアは既に上級(小学校高学年)クラスでディベートを採り入れています。
 振り返ると、英語が好きで教えることが好きだったからHTの道が開けました。当初は、生徒を集めるために小学校の保護者会の終わる時間に校門でチラシを配り、受け取ってもらえずめげそうになったこともありました。しかし、「私は教えるプロ」という気概は持ち続けようと思い直し、進んできた感じです。今の世の中、どういう環境でも頑張れるものですね。

ハウさん3

ECCジュニアのホームティーチャーとは

ECCジュニアは40年以上の歴史を持つ全国展開の子ども英会話・学力養成教室。その顔であるホームティーチャーは、自宅や貸会場・テナントで、地域の子どもたちに英語や国語、算数などを教え、教室を運営しています。基礎的な学力があれば、特別な資格は必要なく、指導・研修により、未経験でもスタートできます。働く曜日や時間、場所を選べるので、家庭との両立など自分らしい働き方も実現できます。

https://www.eccjr.com/

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